CPAP療法の場合、月に5,000円程度です。
初診時の検査で約3,000円ほどとなります。全て医療保険が適用されます。
【初診時】 | 初診料270点 検査代604点 874点 (保険3割負担の場合 2,620円) |
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【再診時】 | 再診料70点 無呼吸簡易検査料 960点(保険3割負担の場合 2,880円) |
【CPAP治療中時】 | 導入時再診 122点 CPAP在宅1460点 1582点 (保険3割負担の場合 4,750円) |
病気自体が遺伝はしませんが、肥満の体格や、顔面の骨格上、顎が小さい方が気道が閉塞しやすい為、体型が親子で同じ場合、睡眠障害に罹る場合がございます。
毎日使用していただくことが望ましいです。
ポータブルで持ち運びができるよう、バックサイズに収納できますので、旅行や出張でも持参いただくことは可能です。CPAPはレンタルでご使用いただいておりますので、不具合等があれば交換可能です。
CPAP療法は保存療法ですので、単体で病気が治癒することはありません。
ですので、CPAPだけを行うのであれば、ずっと使用しなければなりませんが、同時に生活習慣の改善も行っていただくことで、治癒をめざしていきます。
効果は非常に高いのですが、装着時のマスクが気になって夜間外してしまうといったことで、持続しないケースがあります。そういったときには、初期の設定を変更することで、改善する場合も非常におおく見受けられます。
様々な要因が考えられますが、CPAP装置の設定が適切でない場合もありますので、受診していただき、詳しくお話しをお聞かせください。
ホース(呼吸管)はCPAP装置と口元を結ぶ空気の通り道です。呼吸管にほこりやカビが付着すると衛生的によくありません。また、マスクは顔に直接触れるものですので、清潔にしていただくことが必要です。清潔な手で、マスクや呼吸管をCPAP装置から外して、よく水洗いし、完全に乾燥させてからご使用ください。
口をあけて寝てしまうことにより、鼻から送られた空気が口から抜ける為に、のどや口の中が乾燥することがあります。その場合、開口を防止する為のテープや、口を開きにくくするためのバンド(チンストラップ)などがありますので試していただきます。場合によっては、CPAP装置に加湿器を取り付けてご使用いただくこともあります。
睡眠時無呼吸症候群の歴史は浅く、今から30年ほど前、1976年に病名がつけられました。
治療の歴史も浅く、現在最も多く行われている治療方法であるCPAP(シーパップ、鼻マスク)が健康保険適応になったのは1998年、スリープスプリント(マウスピース)による治療が健康保険適応になったのはわずか数年前、2004年です。
1956年 | 重度の肥満で、昼間に居眠りばかりしているなどの特徴をもつ患者の症状が、作家チャールズ・ディケンスの小説「ピックウィック・クラブ」にでてくる少年に似ていることから、「ピックウィック症候群」という病名がつけられます。 |
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1965年 | 睡眠中の呼吸停止が、気道が塞がってしまうことが原因であると認識されます。 |
1971年 | 睡眠中の呼吸停止に、気管切開が有効と報告されます。これ以降、喉を切って気道を確保する「気管切開」は、他の治療がおこなわれるまで有効な治療方法として多くの患者さんに行われました。 |
1976年 | 睡眠中の無呼吸や低呼吸をおこす病気に対して、「睡眠時無呼吸症候群」の病名がつけられます。小児の睡眠時無呼吸症候群が報告されます。 |
1981年 | CPAP(シーパップ、鼻マスク)による治療が初めて行われます。現在では睡眠時無呼吸症候群の治療では最も多く用いられています。新しい外科手術(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術、UPPP)による治療が行われ始めます。現在でも有効な治療方法として、多くの患者さんに行われています。 |
1993年 | アメリカの大規模な調査で、睡眠時無呼吸症候群の患者数が多いことや、睡眠時無呼吸症候群が原因で重大な事故を引きおこしていることが報告されます。この報告をきっかけとして、アメリカでは睡眠に対する関心が高まりました。自動調節機能のついたオートCPAPが開発されました。 |
1994年 | 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)が健康保険適応になります。 |
1998年 | 日本でCPAPによる治療が健康保険適応になります。これ以降、日本でも睡眠時無呼吸症候群の治療でCPAPが、最も多く用いられるようになりました。 |
2003年 | 山陽新幹線の運転手が居眠り運転事故を起こす。運転手は後の検査で睡眠時無呼吸症候群であることがわかりました。この事故をきっかけに、日本でも睡眠時無呼吸症候群が知られるようになります。 |
2004年 | 日本でスリープスプリント(マウスピース)による治療が健康保険適応になります。これ以降、CPAPによる治療、外科手術と並んで、多くの患者さんがスリープスプリントによる治療を行うようになりました。 |
多くの事故が睡眠時無呼吸症候群が原因で起きたと考えられています。
1979年 | スリーマイル島の原子力発電所事故 |
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1986年 | スペースシャトル・チャレンジャー号の打ち上げ直後の爆発事故 |
1989年 | アラスカ沖のタンカー座礁による原油大量流出事故 |
2003年2月 | JR山陽新幹線の居眠り運転 |
2003年3月 | ケミカルタンカー八洋丸(496t)と貨物船住春丸(197t)が居眠り操船で衝突 |
睡眠時無呼吸は以前より紙面にいろいろ登場致します。一例を掲載します。
新幹線居眠り運転士、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断(2003/3/6)JR山陽新幹線で「ひかり」126 号を居眠り運転し、専門医の検査を受けていた運転士(33)が5日、重症の「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断されました。
・・・この確定診断を受け、国土交通省は5 日、全国約170 の鉄道事業者に対し、SASが原因で起こった可能性のある事故などについて、事例を調査するよう通達しました。さらに国交省は、「鉄道だけでなく、すべての公共輸送機関にかかわる課題だ」として、航空、船舶、バスなど関係部局の担当者を集め、横断的にSAS 対策を考える検討会を省内に発足させることを決めました。