たかが「いびき」と思っていると、陰には治療が必要な病気が潜んでいることがあります。
ここでは、「いびき」をかく病気をご紹介します。
「自分に当てはまるかも?」と感じた方は、早めに耳鼻咽喉科などの睡眠障害の専門医を受診しましょう。
目覚めている時には呼吸障害を自覚しないのに、睡眠時に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、または、一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸・低呼吸を生じる病気です。
詳しくは、左記メニューの「睡眠時無呼吸症候群とは」をクリックしてください。
生まれつき、または怪我によって鼻の真ん中を仕切っている鼻中隔(びちゅうかく)
が曲がってしまっている状態です。
鼻中隔が曲がることで、鼻を通る空気の流れが乱れて、音が出ます。その音が鼻やの
どで共鳴して「いびき」となります。
鼻の手術や怪我、または結核・梅毒などの病気のために、鼻中隔に穴があいてしまった状態です。
穴が小さい場合には、鼻呼吸をするたびに笛のような音が出ます。その音が鼻やのどで共鳴して「いびき」となります。
アレルギー性鼻炎などの慢性的な炎症で、鼻の粘膜が厚くなって鼻づまりを起こすと さらに状態はひどくなります。鼻がつまるので口呼吸となり、舌がのどに落ち込んで 気道が狭くなります。気道が狭くなると、そこを通る空気が振動したり周りの組織を 震わせたりして「いびき」となります。
アレルギー性鼻炎や鼻の感染症などで鼻の粘膜が異常に増殖して盛り上がり、キノコ状のポリープになったものです。
鼻の気道が狭くなったり、鼻茸自体が震えて「いびき」になりま
す。
いわゆる「蓄膿症」と呼ばれる病気です。顔や頭の骨の中には、「副鼻腔」という空 洞があります。細菌などにより副鼻腔に炎症が起きると、鼻の粘膜にも炎症が及び腫 れてしまい、「いびき」の原因となります。
なお、副鼻腔炎は、慢性的な鼻づまりのほか、白・黄色・緑色の鼻水、頭・目の奥・ 歯の痛み、発熱、悪寒——などの症状が現れます。
よく「扁桃腺が腫れている」といわれる状態です。口蓋扁桃に細菌やウイルスがついて炎症を起こして腫れ、気道が狭くなるので「いびき」をかきます。
のどや耳の痛み、頭痛、発熱、倦怠感——といった症状もあります。
のどの奥にあるアデノイドは、感染やアレルギーによって大きくなることもあります
が、生まれつき大きいお子さんもいます。
アデノイドが大きくなると、鼻からのどへの出口が塞がれてしまい、口呼吸となって
「いびき」をかきやすくなります。また、アデノイド肥大は、副鼻腔炎や中耳炎、睡
眠時無呼吸症候群などの他の病気の原因となっている場合があります。
現在では、ファーストフードなどが出回り、硬いものをしっかり噛む経験が減ってき
た影響からあごの発達が悪くなっています。
小顔はあこがれの的ですが「いびき」の原因になります。あごが小さいと口の中が小
さいので、結果、舌がのどの方に押されて気道を狭めるからです。
お子さんの巨舌症は、母親の糖尿病が原因です。糖尿病の母親から生まれてくる赤ちゃんは、体重が重く大きな赤ちゃんとなる傾向があります。特に舌が大きいと、赤ちゃんのころから「いびき」をかくことがあります。
身体の新陳代謝をコントロールする甲状腺ホルモンが減ってしまうと、体のあちこち
がむくみますが、のどや舌もむくみます。のどや舌のむくみで気道がせまくなり「い
びき」をかくようになります。
主な症状は、顔のむくみ、体重増加、貧血、低体温、脱毛、皮膚の乾燥、月経過多、
手足のしびれ——などです。
睡眠中に気道の抵抗が大きくなって、努力しないと息が吸えなくなった状態です。呼吸が止まってしまうことはありませんが、血液中の酸素濃度が低いため、夜中に何度も目覚めます。慢性の睡眠不足となって、日中に強い眠気に襲われます。睡眠ポリグラフ検査と食道内圧測定で診断されます。
脳内のオリーブ核や橋、小脳と呼ばれる部分が萎縮する難病です。運動神経や感覚神経、自律神経も麻痺しますが、まだ、有効な治療法が見つかっていません。この多系統萎縮症では、肺に近い声帯部で「いびき」のような音が生じます。
比較的新しい病気で、睡眠中、深く息を吸った後に長くうなりながら息を吐き出し、この症状が毎晩のように続きます。
本人は何も自覚症状がなく、無呼吸も見られません。